みなさん、こんにちは。
生きていると、うれしいことも楽しいことも、つらいことも悲しいことも、いろいろなことが起こります。
うれしいことや楽しいことの時間はあっという間に過ぎ去りますが、つらいこと、悲しいことの時間はずっと続いてしまうように感じるものです。
特に、先が見えないような苦しいときは、先がわからなくて、道も見えなくて、不安や心配でいっぱいで、心が押しつぶされそうな気持ちになる。
そんなとき、私の中で思い出す言葉があります。
それは、ミヒャエルエンデ著の「もも」に登場する道路清掃人のベッポじいさんの言葉です。
なあ、モモ、とっても長い道路を受け持つことがあるんだ。
おそろしく長くて、これじゃとてもやりきれないと思ってしまう。
そこでせかせかと働き出す。
どんどんスピードを上げてゆく。
ときどき目を上げて見たのだが、いつ見ても残りの道路は減っていない。
だからもっとすごい勢いで働きまくる。
心配でたまらないのだ。
そして、しまいに息が切れて動けなくなってしまう。
でも、道路はまだまだ残っているのだ。
こういうやり方はいかんのだ。
1度に道路を全部の事を考えてはいかん。
わかるか?
次の1歩の事だけ、次のひと呼吸のことだけ、次のひと掃きの事だけを考えるのだ。
いつも、ただ次の事だけをな。
すると楽しくなってくる。
これが大事なのだ。
楽しければ仕事が上手くはかどる。
こういうふうにやらにゃだめなんだ。
ひょっと気がついたときには、一歩一歩進んだ道路が全部終わっとる。
どうやってやりとげたかは、自分でもわからん。
息もきれていない。これが大事なのだ。
先が見えないような苦しいときは、あまり先のことを考え過ぎずに、いまの自分にできそうなこと、次のひとつのことだけを考えてやってみる。
小さな歩みでいいから、少しずつ、今の自分にできそうなことだけに集中してやってみると、不安に押しつぶされそうな気持ちが少しずつ軽くなり、少しずつ「楽しい」という気持ちがわいてくるものです。
ベッポじいさんが本当に伝えたいことは、道路を清掃することではなく、人生の生き方についてなのだから。
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