冬は大根がおいしい季節ですね。
スーパーで目にするのは、まっすぐな「青首大根」ばかり。
写真の子供たちが嬉しそうに持っている「おふくろ大根」はあまり市場に流通しません。
どうしてだと思いますか?
実は、おふくろ大根は現代の効率化社会では嫌われ者なのです。
大根の形をみると、中間から丸く膨らんでいますよね。
この膨らみがあるため、土から大根を抜くのは大変だし、運ぶために箱詰めしたら隙間ができてたくさん詰め込めない、お店にならべると、見た目はわるいし、安定よく積めないから売場の面積をとってしまう。
不格好で面倒で非効率のおふくろ大根。
だけど、おふくろ大根には短所もあるけど、ちゃんと長所もある。
おふくろ大根を抜くのは大変だけど、子ども達に抜く楽しみを与えてくれる。
煮て食べると、とってもおいしく、味は青首大根に勝ります。
寒い時期、おふくろ大根の入ったおでんは最高です。
おふくろ大根は、一見短所ばかりで非効率だけど、効率的な青首大根にはない、深い味わいをもっています。
もしかしたら、今の日本社会、みんなで青首大根を目指していませんか?
いい学校に入って、大きい会社に入社すること、それが正しい生き方とばかりに勉強と仕事をして、みんなにあわせて、自分の個性を抑えようとする。
でもね、人間もおふくろ大根と一緒なのだと思う。
まっすぐな青首大根もいれば、ふっくらしたおふくろ大根もいる。
どちらがいいとか、わるいとかでもなく、それぞれが、すてきな個性を持っている。
効率的か非効率なのか、社会の常識か非常識なのか、その尺度で人や自分や物事を見てしまうと、とっても大切な自分の個性を見失ってしまう。
どんな人もすてきな個性をもっている。
その個性は欠点ではなく、ほんとうは長所なのだと思います。
おふくろ大根のようにね。
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